
Forerunner 570を購入して約1年。毎日のランニングで使い続けてきたからこそ気づいた、正直なデメリットをまとめました。
570を選んだ理由は、画面が明るくて見やすいこと、第5世代光学心拍計への期待、マルチバンドGPSによる計測精度の向上への期待です。店頭で265と見比べたときにアルミベゼルの高級感も購入の後押しになりました。実際の試着比較については以下の記事をご覧ください。

良い点はGarmin公式サイトやスペック比較記事でいくらでも見られます。この記事では、買う前に知っておいてほしかったことだけを書きます。
不満① レースタイム予想が当てにならない
570にはレースタイム予想機能があり、現在のフィットネス状態からハーフマラソンやフルマラソンのタイムを予測してくれます。便利そうに聞こえますが、実際の実力より大幅に速いタイムが出ます。
私の場合、ハーフマラソンで実際のタイムより10分以上速い予想が出ていました。1kmあたり約30秒も速いペース換算です。フルマラソンではさらに差が大きく、目標のサブ4より約30分以上速い予想が出ており、実際のレース結果と比較すると約50分もの差がありました。練習中からそのペースでは走り続けられないことはすぐに体感でわかりました。570が示すペースで走ったら、5kmも持たずに撃沈するのが目に見えていました。ガーミン先生、おだてるのが上手すぎます。
予想タイムはVO2Maxをもとに計算されていますが、VO2Maxはペースや心拍数だけから推定されるため、筋持久力やランニングエコノミーなど他の要素が考慮されにくく、実力と差が出やすいと言われています。

レースタイム予想はあくまで参考程度、もしくは気にしないくらいの気持ちでいるのがちょうどいいです。
不満② ガラス製の保護フィルムがフィットしない
570の盤面は湾曲した形状のため、ガラス製の保護フィルムがうまくフィットしません。
Garmin純正の保護フィルムはTPU素材です。TPUとは「熱可塑性ポリウレタン樹脂」という素材で、非常に薄く、触るとぐにゃぐにゃするゴムのような柔らかい素材です。柔軟性が高いため、フチまでしっかり貼れるメリットがある一方、画面の硬さはガラス素材に劣ります。
時計をどこかにぶつけたときにTPUフィルムがどれだけ守ってくれるか、正直なところ少し不安があります。
社外品のガラスフィルムも試しましたが、盤面の直径より2〜3mm小さいサイズのため盤面全体を覆うことができず、さらにフィルムの外周が約1mmほど浮いてしまい見た目が良くありません。隙間にゴミが入りそうで気になりましたが、現在はこのガラス製フィルムを貼ったままにしています。実際には意外とゴミが入っておらず、やはりガラス製フィルムのほうが安心感があるというのが理由です。

純正TPUフィルム以外の選択肢としては、盤面全体を覆うケース型の保護グッズもありますが、せっかくのアルミベゼルの高級感が隠れてしまうのがもったいないと感じています。わずかながら重さも増えてしまうため、私はケース類は使用していません。見た目を変えずにガラスフィルムで保護したい人には、570は少し悩ましい選択肢です。
不満③ 水洗い後の手入れが意外と大変
ランニング後に汗をしっかり洗い流せるのは良いのですが、水をふき取る箇所が多くて地味に大変です。
汗が少ない日は濡らしたタオルで盤面裏とベルトを拭く程度で済みます。ただしたくさん汗をかいた日はシャワーを浴びるときに一緒に水洗いし、上がった後にベルトを外してしっかり水気を取ります。
ふき取りが必要な箇所はこれだけあります。
- 盤面裏にある3か所の小さな穴(ティッシュをねじってつまようじ状にしないと届かない)
- スピーカー・マイク用のスリット状の穴(盤面裏の小さな穴とつながっているため、そこからティッシュで水を吸い取ることができます)
- 側面の溝とボタン周り5か所
- 時計本体のベルトフック取付穴
- ベルトのつなぎ目や調整穴
- ベルト先端の金属突起とそのフック部分


※現在私が使用しているベルトは265用の純正ベルトに交換したものです。570純正ベルトは未使用ですが、両者は同じ構造のため、ベルトの水洗い後の手間は変わらないと思います。
なお充電口は別途購入したシリコン製キャップで塞いでいるため、ここだけは濡れないので拭かずに済みます。Amazonで10個入り600円ほど、なんとジェル2個分のお値段で、カラフルな色展開もあるので見えないおしゃれも楽しめます。黒い盤面とは異なる色を選ぶと、ちゃんと装着されているかぱっと見で確認できるのも便利です。ただし、パッキンのような完全な防塵防水ではないため、たまに外して掃除するのがおすすめです。
毎回この手順をこなすのは慣れれば数分ですが、ランニング後に急いでいるときは地味にストレスになります。走り終わった達成感が、ティッシュをねじっているうちにどこかへ消えていきます。
フォアランナーシリーズでは570と970のみに、スピーカーから音を出して水を排出する機能が搭載されています。265と比較検討していた頃はこの機能の存在を知らなかったので、購入後に知った嬉しい機能のひとつです。実際に試したところ、スピーカーやマイクの穴から水しぶきが出てきました。ただ、その後念のためティッシュで穴を抑えてみると水をしっかり吸い取ったため、それからは基本的にティッシュで拭き取る方法にしています。バッテリーを無駄に使わずに済む点でも、この方法のほうが合っていると感じています。
不満④ ウインドスプリント時に心拍が計測されないことがある
ウインドスプリントなど、腕を速く振る場面で心拍数が正しく計測されないことがあります。
最大心拍数近くまで追い込んでいるはずなのに、閾値走やハーフマラソンペース程度の心拍数しか表示されないことがありました。これは570固有の問題ではなく、光学式心拍計全般の特性として、短距離走のように腕を大きく速く振る動作が苦手なようです。
ただし、長距離走のように腕振りを抑えて走る場合は問題なく計測されていました。スプリント練習でも腕の振り方を意識することで、ある程度対応できます。より正確な心拍データが必要な場面では、胸ベルト型の心拍計との併用も選択肢のひとつです。
不満⑤ 各数値の意味がわかりにくい
570はデータが非常に豊富ですが、ランニングの専門知識がないと最初は何を見ればいいかさっぱりわかりません。
私も最初は走ったペース・距離・タイムくらいしか理解できず、それ以外の数値は「これが高いといいのか、低いといいのか」すら判断できない状態でした。
特に最初戸惑ったのが、VO2Max・トレーニングレディネス・HRVステータスといった用語です。さらにトレーニングステータスには「オーバーリーチ」「ピーキング」「プロダクティブ」「キープ」「リカバリー」「アンプロダクティブ」「ディトレーニング」など、英語の状態表示がずらりと並びます。英語が弱い私には、時計に話しかけられているのか、叱られているのかもよくわからない状態でした。ひとつひとつネットで調べながら少しずつ理解していきましたが、自分で調べながら使っていかないと、せっかくの高機能な時計を活かせていないことになると感じています。
570は機能が多い分、使いこなすまでに時間と勉強が必要です。「買ったらすぐ使いこなせる」と思っていると最初は戸惑うかもしれません。
不満⑥ バッテリーの持ちは走行量次第
570のバッテリーは、スマートウォッチモードで約11日間とスペック上は優秀です。ただし、ランニング中はGPSモードで計測されるため、スマートウォッチモードよりもバッテリーの消耗が早くなります。
GPSモードには複数の種類があり、初期設定では環境に応じて自動的に最適なモードを選択するSatIQ(自動選択)モードが適用されます。各モードのバッテリー持続時間は以下の通りです。
| モード | バッテリー持続時間 |
|---|---|
| SatIQ(自動選択) | 約16時間 |
| マルチGNSSマルチバンド | 約14時間 |
| GPS+音楽再生 | 約9時間 |
| SatIQ(自動選択)+音楽再生 | 約8時間 |
| マルチGNSSマルチバンド+音楽再生 | 約8時間 |
音楽再生を併用する場合はバッテリーの消耗が大幅に早くなることがわかります。
私の場合、田んぼ道メインの開けた環境で走っており、音楽機能は使用していません。GPS設定は初期設定のままSatIQモードで、節電設定もしている状態で、月間走行時間が平均10〜20時間・週あたり約2.5〜5時間(距離にして月間100〜200km程度)です。この条件で充電頻度は週1回ペースです。サブ4前後を目指すランナーであれば、同程度の練習量になる方も多いと思いますが、この頻度であれば特に不便は感じません。570の節電設定の方法については以下の記事をご覧ください。

これより練習量が多い方は充電頻度が増えてしまうと思います。週1回の充電でも煩わしいと感じる方は、よりバッテリーの持ちがよいモデルを検討してみるのもよいかもしれません。バッテリーをより長持ちさせる充電方法や保管方法については以下の記事をご覧ください。

不満⑦ 常に装着しないと機能を活かしきれない
デザインがスポーティーなため、最初は仕事中は外してランニングのときだけつけていました。ワイシャツに水色のベルトのスポーツウォッチはさすがに勇気がいります。現在は袖の中に隠しながら着用していますが、これから夏に向けて半袖になるとそうもいかず、少し悩んでいます。しかしそれでは570の機能を半分も活かせていないことに気づきました。
つけていない時間があると、普段の心拍数が計測されず、それをもとに計算されるBody Batteryやストレス指数も正確に出ません。これらの指標は明日以降の練習メニューを決める判断材料になるため、結局常時装着するようになりました。
570には「おすすめワークアウト」機能があり、トレーニングステータス・トレーニング負荷・VO2Max・リカバリータイム・睡眠データ・最近のワークアウト履歴などをもとに、朝に今日のおすすめメニュー、夜に明日のメニューを提案してくれます。睡眠データや疲労具合も提案に影響するため、この機能を活用したい方は睡眠時にも装着することをおすすめします。
570はつけっぱなしにしてこそ、その機能が活きてくるウォッチだと感じています。サウナなど高温になる環境を除けば、基本的にはつけっぱなしにするのがおすすめです。
また、温泉につけっぱなしで入ったことがありましたが、お湯が熱くて心拍数が上がったせいか、ストレスレベルが最大になり、ボディバッテリーの数値がかなり下がった経験があります。温泉でリラックスできたのか、実際には疲れてしまったのか570には判断できなかったようです。リラックスのつもりがガーミン先生には「ハードトレーニング」と認定されてしまいました。余計な気を使わなくて済むよう、基本的には入浴時は外すようにしています。
番外編①:ボタンが固め(265と店頭で比較した印象)
店頭で265と見比べたときに、570のスタート・ストップボタンが少し固いと感じました。ベルトは普段は人差し指が1〜2本、ランニング時はギリギリ1本入る程度に締めているため、親指で支えなくてもボタンを押せないことはありません。ただし、そのまま押すと盤面が腕にめり込むような形になり少し痛いですし、ベルトにも負荷がかかりそうです。約5000円したベルトをそう簡単に傷めるわけにはいかないので、結局親指で本体を支えながら人差し指で押すスタイルが定着しました。
ただ裏を返せば誤操作が起きにくいというメリットでもあります。一概にデメリットとは言えません。
番外編②:発売から約半年で値下げ
最後にもうひとつ、購入後に気づいた番外編的な不満をお伝えします。2025年6月の発売当初は89,800円(税抜き)だった570が、約半年後の2025年11月末に定価74,800円(税抜き)へと値下げされました。さらにAmazonなどのネットショップでは6万円台前半で販売されているケースもあり、発売当初と比べるとかなり手が届きやすい価格になっていました。
定価ベースでも差額は15,000円。マラソン大会のエントリー代、レース用シューズの一部、遠征のホテル代、ジェル約20個分と考えると、なかなかの金額です。ネットショップの実勢価格と比べると差額は25,000〜30,000円ほどになり、もはやシューズ1足分に迫る勢いです。早く買った私は何を手に入れたのかというと、「半年間早く使えた権利」ということにしておきます。もちろん製品自体への満足度は変わりませんが、購入時期のタイミングもひとつの判断材料になるかもしれません。
不満点はいくつかありますが、それでも毎日570を使い続けています。
向いているランナー
- サブ4前後を目指していて、トレーニングデータをしっかり活用したい人
- 初めてGarminを買うランナー
- 心拍計やGPSの精度を重視する人
- 常時装着してデータを蓄積することに抵抗がない人
購入前にもう一度考えてみてほしいランナー
- 走行量が多くバッテリーの持ちを重視する人
- 常時装着することに抵抗がある人
- データの多さよりシンプルさを求める初心者の方
この記事が購入の判断材料のひとつになれば嬉しいです。
