前回の記事では、足底筋膜炎を発症してから、インソールとシューズ変更で症状を落ち着かせるまでの体験談を書きました。
▶ 前の記事:ランニングで足底筋膜炎になった話|原因・対処法・シューズ選びの体験談
その中で「偏平足が関係しているかもしれない」と少し触れましたが、今回はその偏平足についてもう少し掘り下げていきます。
じつは、偏平足だと気づいたのはランニングを始めてからではありません。中学生のころに周りから指摘されていて、ずっとそういう足だと分かっていました。
今回は、偏平足とはどんな状態なのか、なぜ足底筋膜炎と結びつきやすいのか、そして実際に試したインソールとテーピングについて書いていきます。
偏平足とはどんな状態か
偏平足とは、足の裏のアーチ(土踏まず)が通常より低くなっている、あるいはほぼない状態のことです。
健康な足には、土踏まずを形成する「内側縦アーチ」という自然なカーブがあります。このアーチがバネのように機能して、地面からの衝撃を吸収・分散してくれています。偏平足の場合、このアーチが低下しているため、衝撃吸収がうまく機能しにくくなります。
確認する方法は簡単で、濡れた足でフローリングや紙の上に立ち、足跡を見るというものです。アーチが正常であれば土踏まず部分に隙間ができますが、偏平足だとほぼ全面が接地した足跡になります。
偏平足には生まれつきのものと、加齢や筋力低下によって後天的になるケースがあります。わたしの場合は前者で、記憶にある限りずっとアーチが低い状態でした。
偏平足に気づいたきっかけ
偏平足だと最初に言われたのは、中学生のときでした。体育の授業だったか学校の健診だったか、正確な場面は覚えていませんが、先生か誰かに「足の形が偏平足だね」と指摘されたのが最初だったと思います。
当時は「ふーん、そういうものか」くらいの感覚でした。特に痛みがあるわけでも走れないわけでもなかったので、日常生活で困ることはありませんでした。
ただ、振り返ってみると、体育や部活、遠足でたくさん歩いたあとに足が疲れやすく、足裏に痛みを感じることもありました。当時はそれが偏平足のせいだとは思っていませんでしたが。
その後、大人になってランニングを始め、足底筋膜炎を発症して病院に行ったとき、改めて医師から「偏平足がありますね」と言われました。中学時代に指摘された記憶と、ランニングでの痛みがここでつながった気がしました。
偏平足と足底筋膜炎はなぜ結びつくのか
医師から「偏平足がある」と言われたとき、正直なところ最初はピンときませんでした。足底筋膜炎はランニングのしすぎで起きたのでは、と思っていたからです。
ただ、その後少しずつ調べていくうちに、偏平足がどれだけ足底筋膜に負荷をかけているかが分かってきました。
仕組みをざっくり言うとこうなります。
- アーチが低い(偏平足)と、着地のたびに足の裏が過剰に広がる「回内(オーバープロネーション)」が起きやすくなります
- その動きが足底筋膜を過剰に引き伸ばし、繰り返しの負荷がかかります
- 走行距離が増えるほど、その負荷は積み重なっていきます
わたしの場合、ランニングを始めた当初に月間走行距離を50kmから100kmへ急増させたタイミングで症状が出ました。走り始めてまだ日が浅く、足がその負荷に慣れていない状態で一気に距離を増やしたことで、足裏に大きな負担がかかったのだと思っています。
一方、その後に月間走行距離を100kmから150kmに増やしたときは、特に症状は出ませんでした。同じ50km増でも問題がなかったのは、走り続けることで足がある程度できあがってきたからではないかと感じています。
偏平足だからといって必ず足底筋膜炎になるわけではありません。「足の準備ができていない状態での急激な距離増加」と「もともとの偏平足による構造的なリスク」が重なったときに、症状として現れる印象です。
試した対策① テーピング
足底筋膜炎が出始めたころ、病院で湿布と安静を勧められましたが、走るのをやめるわけにもいかず、自分でできることを探し始めました。そのひとつがテーピングでした。
足底筋膜炎向けのテーピングは、アーチを下から持ち上げるように貼ることで、足底筋膜への負荷を減らすという考え方のものです。YouTubeや整形外科のサイトで巻き方を調べて、走る前に自分で貼るようにしていました。
効果の実感としては、「貼っているあいだは足裏が少し楽」という感覚はありました。アーチがサポートされているような安心感もありました。ただし、汗をかいたり距離が伸びたりすると途中ではがれてきてしまうことも多く、正直なところ「確実に効く」とまでは言い切れませんでした。
テーピングをやめた理由は、毎回の貼る手間と、長時間走ると剥がれてしまうという実用上の問題が大きかったです。インソールを使うようになってから、自然と出番がなくなっていきました。
試した対策② インソール(ザムスト)
テーピングと並行して試したのが、市販のインソールへの変更です。
現在使っているのは、ザムストのインソールです。スポーツ向けのサポート系で、アーチ部分に立体的なサポートがあります。ドラッグストアなどでも手に入る汎用品ですが、スポーツ用に作られているだけあって、走ったときのフィット感は一般的な薄いインソールとは違いました。
使い始めてからの変化としては、「足裏の疲れ方が違う」という感覚があります。特に10km以上走ったあとの疲労感が少し変わった気がしました。テーピングのように剥がれてくる心配もなく、シューズに敷いておくだけなので手間もありません。
ただし、インソールは万能ではないとも感じています。足底筋膜炎の症状が強いときは、インソールだけで解決するわけではありませんでした。走行距離の管理やシューズ自体の選択との組み合わせが大事だと感じています。
インソールで補うか、シューズのサポート機能で補うかについては、次の記事で詳しく書く予定です。
偏平足は「治す」より「付き合う」という感覚
偏平足はアーチの構造的な問題なので、大人になってから完全に「治す」のは簡単ではないようです。筋力トレーニングで改善が見込めるケースもあるようですが、わたしのように子どものころからアーチが低いタイプだと、劇的には変わらないという感覚があります。
わたし自身、今は偏平足を「治そう」とはあまり考えていません。それよりも、偏平足である前提で足への負担を減らす工夫をする、という方向に気持ちが切り替わっています。
具体的には、以下の3点がわたしの基本的なアプローチです。
- 走行距離を急に増やさない
- アーチをサポートするインソールを使う
- シューズ選びで安定性(サポート機能)を重視する
このうちシューズ選びについては、次の記事でまとめて書くつもりです。
まとめ
- 偏平足はアーチが低い状態で、着地時の衝撃吸収がうまく機能しにくくなります
- アーチが低いと足底筋膜が過剰に引き伸ばされやすく、走行距離が増えると足底筋膜炎のリスクが上がります
- 中学生のころから偏平足で、ランニングを続ける中で症状が顕在化しました
- テーピングは一定の効果はありましたが、実用面の問題から継続が難しかったです
- インソール(ザムスト)に切り替えてから、足裏の疲れ方が変わりました
- 偏平足は「治す」より「うまく付き合う」ことを意識しています
次回は、偏平足・足底筋膜炎持ちのわたしが実際に使っているシューズの選び方について書く予定です。
