ランニングで足底筋膜炎になった話|原因・対処法・シューズ選びの体験談


ランニングを始めたばかりのころ、朝起きて最初の一歩を踏み出した瞬間、足裏にひびが入るような痛みが走りました。

「なんだこれ……」と思いながらも、しばらく歩いていると痛みは引きます。でも翌朝また同じ痛みがやってくる。走り始めると着地のたびに足裏がピキッとする感覚があって、「これは普通じゃない」とようやく気づきました。

これが私の足底筋膜炎との出会いです。

あれから何年も経ちます。完全に治ったとは言い切れませんが、今はほとんど気にせず走れるようになりました。その過程でやってみたこと、気づいたこと、シューズとインソールで変わったことを、この記事に正直に書いておきます。

同じように悩んでいるランナーの参考になれば嬉しいです。


足底筋膜炎ってどんな症状?

足底筋膜炎は、足の裏にある「足底筋膜(腱膜)」という組織に炎症が起きる状態です。医学的には「足底腱膜炎」と呼ばれることもありますが、一般的にはどちらも同じ疾患を指します。ランナーに多い故障のひとつで、スポーツ障害の中でもかなりポピュラーな存在です。

一般的な症状としては、かかとの前方〜土踏まずにかけての痛みが多く、特に朝の一歩目や歩き始めに感じやすいのが特徴です。初期段階では「運動後にかかとが痛む」程度でも、放置すると起床時や走り始めにも痛むようになり、さらに悪化するとランニング中ずっと痛みが続くようになります。

私の場合の症状はこんな感じでした。

  • 朝の一歩目に土踏まずあたりにひびが入るような痛み
  • 走り始めの着地のたびに足裏がピキッとする感覚
  • 1kmほど走ると不思議と痛みが和らいでくる
  • 走行距離が増えると足裏に違和感が戻ってくる

厄介なのは、「走れないほどではない」という点です。痛みはあるのに走れてしまうので、つい放置しがちになります。私もそのパターンでした。


病院に行ったら「シップと安静」だけだった

さすがにおかしいと思って整形外科に行きました。診断は足底筋膜炎。先生から受けたアドバイスはシップと運動を控えることでした。

「運動を控える」……ランナーにとってこれが一番つらいアドバイスです。

それでも走り続けたのには理由がありました。友人とサッカーやフットサルを楽しんだり、マラソン大会に参加したりしていたので、いつでも走れる体力を維持しておきたかったのです。足が痛いからといって完全に止めてしまうと、せっかく積み上げた体力が落ちてしまう。それが嫌でした。葛藤はありましたが、「走りながら治す方法を探そう」と決めました。ここから試行錯誤が始まります。


まず試したのは「タオルギャザー」

調べてみると、足底筋膜炎には足の内在筋(足の指を動かす小さな筋肉)を鍛えることが効果的らしいとわかりました。そこで始めたのがタオルギャザーというトレーニングです。

やり方はシンプルで、足の指でタオルをつかんで引き寄せるような動作を繰り返すだけです。私はタオルを使わず動作だけを行っていました。テレビを見ながらでもできます。毎日続けました。

ただ、正直なところこれが効いたのかどうかはよくわかりません。並行して他の対策も始めていたので、何が効果につながったのか判断が難しい状況でした。「もっと早く楽になる方法はないか」と思うようになり、次の手を探し始めました。


インソールで「痛みの度合い」が変わった

タオルギャザーと並行して試したのがインソール(中敷き)の変更です。

市販のインソールを購入してシューズに入れてみると、痛みを感じる頻度と強さが明らかに変わりました。完全になくなったわけではありませんでしたが、「あ、これは効いてる」と感じました。

足底筋膜炎とインソールの相性が良い理由は、アーチサポートにあります。偏平足のランナーは土踏まずのアーチが低いため、足底筋膜に余計な負荷がかかりやすい状態です。インソールでアーチを支えることで、その負荷を分散できます。

※私の偏平足については第2記事(偏平足編)で詳しく書く予定です。


シューズを替えたら、症状がほとんど出なくなった

インソールで手応えを感じたとき、ふとシューズのことが気になりました。当時履いていたのはアシックスのGT-2000。2014年のハーフマラソンから使い始め、2017年のフルマラソン・ハーフマラソンでも同じシューズで走っていました。3年以上使い続けたことになります。

しかもアウトソール(靴底)が剥がれかけていたのをボンドで補修して履き続けていました。なぜそこまでして使い続けたかというと、当時はとにかく費用を抑えたかったからです。もともとランニングは友人に誘われて始めたもので、「年に1〜2回走るためにシューズにお金をかけなくていいだろう」という気持ちでいました。最初に買ったシューズもセールで3,000〜5,000円程度のものでした。

今思えば、完全に間違いでした。クッションはとっくに劣化していたはずで、足底筋膜炎を悪化させていた可能性が高いです。シューズはケチるべきではなかったと、今では強く思っています。

そこで思い切ってシューズを見直すことにしました。まずネットで情報収集したのですが、クッション性の高いシューズといってもメーカーも種類も多く、正直どれがいいか絞り込めませんでした。また、以前に別メーカーの軽量な薄底シューズを試したとき、走行中に親指の付け根あたりが痛むことがあり、シューズの幅が自分の足幅に合っていなかったのだと思います。そういった経験もあって、「実際に履いて店員さんに相談しながら選ぼう」とスポーツ量販店に行きました。

店員さんにサイズを相談しながら試着を繰り返し、最終的に選んだのがアシックス ゲルカヤノです。他のメーカーとも比較しましたが、履いた瞬間のしっくり感が一番でした。私は足幅が広いのですが、ゲルカヤノはエクストラワイド(4E)のサイズ展開があり、それも決め手のひとつでした。

価格は当時定価で約13,000円。最初は「年に1〜2回しか走らないのにそこまで出すのか」と迷いました。でも「友人にいいところを見せたい」という気持ちもあって(笑)、思い切って購入しました。

ちなみにゲルカヤノの前に、同じくアシックスのゲルフェザーグライド(薄底・軽量タイプ)も使っていた時期がありました。ゲルフェザーグライドで症状が改善も悪化もしなかったことを踏まえると、クッション性と安定性を両立したゲルカヤノへの変更が、症状改善の大きな要因だったのだと思います。

結果は正直、驚くほどでした。

ゲルカヤノに替えてから、足底筋膜炎の症状がほとんど出なくなりました。

今も走行距離が増えると足裏に違和感が出ることはあります。でも以前のような「朝の一歩目のひびが入るような痛み」「着地のたびのピキッ」はほぼなくなりました。シューズ1枚でここまで変わるとは思っていませんでした。


現在も「違和感」とは付き合い続けている

ゲルカヤノに替えてから劇的に改善したとはいえ、完全に治ったわけではありません。今も足裏と付き合いながら走っています。

違和感が出やすいパターンとして気づいていることがあります。

  • 足裏に疲労感がある状態で走り続けたとき。疲れが抜けていないまま走り続けると違和感が出てきます。
  • 短期間で走行距離を急に増やしたとき。ランニングを始めたころ、月間約50kmの翌月に約100kmへ増やしたときは足裏に痛みが出ました。一方、最近3年ほどは月間100〜200kmが普通になっており、月間約130kmの翌月に約210kmを走ったときは問題ありませんでした。絶対的な距離より、普段の走行距離に対してどれだけ急増したかが影響しているようです。
  • ロング走を連続したとき。3日間で合計40kmを超えるような走り込みをすると違和感が出てきます。
  • インターバルなどスピード練習のあと。足への負荷が大きいので出やすい傾向があります。

現在の対処法としては、短期間で急に走行距離を増やさないことが一番効いていると感じています。あとは休息日をしっかり設けること、食事と睡眠にも気を遣うこと。地味ですが、これらを意識するようになってから症状が出る頻度はかなり下がりました。


私が出した結論:この3つが揃って改善した

足底筋膜炎と向き合ってきた経験をまとめると、改善のカギは3つの組み合わせだったと思っています。

  1. タオルギャザーで足の内在筋を鍛える(時間はかかりますが土台になります)
  2. インソールでアーチをサポートする(比較的早く効果を感じやすいです)
  3. シューズをクッション性・安定性の高いものに変える(一番変化が大きかったです)

どれか1つだけでは不十分で、3つが揃って初めて「走れる状態」が安定してきた感覚があります。

「運動を控えて」という医師のアドバイスも正しいとは思います。でも走ることが好きな人間にとって、完全に止めるのは精神的にもきつい。自分でできる対策を積み重ねながら、うまく付き合っていく方法を探すことが現実的でしたし、私にはそれが合っていました。


まとめ

  • 足底筋膜炎は「朝の一歩目の痛み」「走り始めのピキッ」が典型的なサインです
  • 病院ではシップと安静を勧められることが多いですが、自分でできる対策もあります
  • タオルギャザー・インソール・シューズ変更の3つを組み合わせて改善しました
  • 特にシューズをゲルカヤノに替えてからの変化が一番大きかったです
  • 現在も走行距離が増えると違和感は出ますが、以前ほどの痛みはほぼありません

次の記事では、私がなぜ足底筋膜炎になりやすかったのか、その背景にある偏平足について書いていきます。偏平足がランニングに与える影響と、シューズ選びへの影響を掘り下げる予定です。

次の記事:偏平足ランナーのシューズ選び|失敗談から学んだこと(近日公開)

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